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沼の見える街

ぬまがさのブログです。おもに映画の感想やイラストを描いたりしています。

『響け!ユーフォニアム』10話みた…!!

  • 『響け!ユーフォニアム』10話。隅から隅まで素晴らしいな、もう…。
  • どのシーンもどのキャラも最高でしたが、今週は何を差し置いても、優子ちゃんですね。リボンの子。この人物の描き方が、本当に見事だと思いました。今回までの時点では優子ちゃん、(とくに麗奈サイドの視点から見れば)単なるミーハーな「嫌な奴」だったわけですよね。香織先輩にキャーキャーまとわりつくわ、何かと文句つけてくるわ、(麗奈のセリフを借りれば)「うざい!」キャラとして描かれてきた。
  • で、まあ今回も優子ちゃんが揉め事の発端になるわけです。今までの積み重ねもあって、「いつまでも終わったことに文句言ってんじゃねーよ、うぜーな」と、見る側もちょっと思っちゃうようなバランスで描かれている。「あきらめないでください!」っていう優子の必死の訴えにも、正直「いや、でも決まったことなんだからさ…」って感じちゃいましたもの。「香織先輩だって納得してるっぽいし、いいんじゃね?もう…」って。だけどその「納得」こそが、今回のテーマなんですよね。
  • 「オレは『納得』したいだけだ!『納得』は全てに優先するぜッ!!でないとオレは『前』に進めねぇっ!『どこへ』も!『未来』への道も!探すことは出来ねえッッ!」というのは、ジョジョ7部『スティール・ボール・ラン』のジャイロ・ツェペリの名言ですが、香織たちが望むことも(冗談ではなく)まさに同じ『納得』ですよね。大陸横断レースに優勝して死刑囚の少年を救うことであろうと、高校のコンクールでソロを吹くことであろうと、根っこは同じ。
  • でも香織は物分かりの良い「いい子」だから、「納得していない」という気持ちを直接的に出すことはできなかった。納得したふりをして香織は「大陸を横断したい」という気持ちを、じゃなかった「ソロを吹きたい」という気持ちを押さえ込んでいたわけです。
  • そんな香織に「いい子」の殻を破らせて、真の『納得』への道を開くように背中を押したのが、他でもない優子だったという点がグッときますよね。優子は単なるミーハーな嫌な奴ではなく、実は本当に香織のことを、誰より深く想っている子だったというところが。
  • だから、あの最後に高々と香織が手を上げた場面で優子がうるうるしてましたけど、そりゃ泣きますよ…。優子→香織はずっと一方通行でしたもんね。一緒に帰ろうと言っては断られ、祭りに行こうと言っては断られ…。今回だって、オーディションの結果に抗おうとすればたしなめられ、みんなの前で先生に文句を言ったら、かえって香織を傷つけてしまい…。優子がションボリ三角座りしてたシーンは、「空回りだったのかな…」と彼女なりに落ち込んでもいたのでしょう。だけどあの挙手のシーンで、そんな香織への想いが「無駄ではなかったんだ…!」とわかったわけですから。そりゃ泣きますよ。
  • ま〜メタ的に言って麗奈ちゃんが負けるとは考えづらいので、きっと香織先輩の敗北でこの件は幕を閉じるんでしょうな(わかんないけど)。でも、その上で香織に訪れる『納得』は、きっと優子が何もしなかった時の『納得』よりも、ずっと深いものになることでしょう。…というようなことを、ほとんど直接的な説明なしで、キャラの何気ない会話や沈黙だけで見せてくるんだから恐ろしいですよね、このアニメは。
  • あ、「泣く」つながりでいえば、序盤の久美子と夏紀の会話も本当によかった。久美子が泣くシーンも、「そりゃ泣くよね」でした。私は感動的なシーンでキャラに泣かれるとちょっと鼻白むタイプなのですが、このアニメはそういうことがない。泣かれると泣きます。「いい人ですねえ…」の場面はやばかったですね…。
  • 久美子は基本的に淡々としていて、醒めていて、あんまり深い感情は人に見せない。でもだからこそ、自分の「傷」に鈍感なところがあると思うんですよ。今までも例の「ばかにしてんの?」の場面は何度かフラッシュバックしていたけど、なんとか振り払ったり、やり過ごそうとしていましたよね。「傷ついた、なんていえる立場でもないか…」みたいに、罪悪感と諦念の入り混じった感情を抱いていたのでしょう。
  • でも今回、夏紀先輩に「あたしの分までがんばれよ」って言ってもらえて、つい久美子は泣いてしまった。それは、優しい言葉をかけてもらえたという以上に、過去の「あんたなんかいなければ…」という先輩のセリフに、自分がどんなに傷ついていたのかを改めて知ったから、でもあるのかなと思いました。自分の「傷」にちゃんと気づけたことで、やっと久美子は救われたんじゃないでしょうか。本当に感動的な場面だと思うんですが、あくまでアッサリ見せてくるあたりが実に上品で、にくいです。参りました。
  • 10話、もうホントにいくらでも語れるんですが、長すぎるのでこの辺で。ではまた。