沼の見える街

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4DX版『マッドマックス 怒りのデスロード』観た!

  • マッドマックス 怒りのデスロード』の4DX版を観たので、感想を書いておこうと思います。もうすぐ終わると聞いて先週、「シネマサンシャイン平和島」でムリヤリ観てきました。ちなみに『マッドマックス4』の鑑賞回数、全部合わせると今回で7回目です。V7!V7!(惜しい)
  • 一応説明しておくと4DXというのは、最近新しく導入された映画の方式です。映画の展開に合わせて席がグワングワン動いたり、風がブワーーッと吹いたり、水がバシャーッと出たり、特殊な効果がいろいろ発動します。一番近いのはディズニーランドの「スターツアーズ」かな。お値段は通常料金+1000円くらいが相場(3Dだとさらに+400円)。似たような形式でMX4Dというのもあります。都内でも一時期この形式で『マッドマックス』やってたんですが、夏の大作ラッシュの影響もあり、すぐに終わっちゃいました。
  • そして秋になって、「4DX版もウィッネスしときゃよかったぜ…」と後悔してるウォーボーイズ(私含む)がたくさんいるのを見かねたのか、その設備をもっているジョー様、もとい「シネマサンシャイン平和島」が、「ならばウチでやってやろう!」とばかりに『マッドマックス4』を緊急リバイバル上映してくれたのでした。えらい!
  • それにしても本当にスゴイですよね『マッドマックス4』…。だってもう10月ですよ。公開されたのが6月だから、4ヶ月くらい経ってるんですよ。来週にはブルーレイが出るんですよ。…なんでまだ映画館で観られるんだよ!おかしいだろ!!いや本当に素晴らしいことですけど…!
  • 今年の夏はとにかく大作が目白押しでしたし、大スクリーンからは『マッドマックス4』もすぐに押し出されちゃったけど、なんだかんだ言って6月の公開日から10月の今日まで、「都内のどこかの映画館では必ずマッドマックスがやっている」という状況だった気もしますね…。すごいことです。映画館の人たちもきっと、この作品がいかに偉大かということをわかっていたのでしょう。この歴史的傑作『マッドマックス4』という炎が、リレーのように平和島まで回ってきたのだと思うと胸が熱くなりますね…。ちなみに今は「平和島」以外だと、池袋の名画座新文芸坐」で上映中です。併映は『ラン・オールナイト』とのこと。わかってらっしゃる…!(参考→『ラン・オールナイト』を語るナイト - 沼の見える街
  • さて、平和島シネマサンシャイン。品川から京急本線に乗り換えて平和島で下車し、そこから無料のシャトルバスに乗り、「ビッグファン平和島」というアミューズメント施設の4階にありました。ちなみに4DXシアターの隣にはロッカーがあり、壊れたらヤバイ貴重品などを無料で預けられるようになってます。期待が高まる演出ですね…(演出ではないだろ)。
  • まず、予告編に続いて「4DX」の体験映像的なものがあるんですが、これがかなりすごかったです。映像自体はベタなカーチェイスなんですが、椅子がグワングワン動くわ、水はぶしゃーーっと出るわ、風はゴーーっと吹くわで、びっくりしてもう笑っちゃいました。この段階でメガネをかけていると無用に濡れるので注意!
  • そして始まる『マッドマックス4』。最初のドッルルルルルン!というエンジン音からしてすでにゴゴゴッと席が揺れ、トカゲを踏み潰すシーンでも椅子に衝撃が走る! まだカーチェイス始まってないのに、すでにけっこう揺れてました。
  • そしてマックスが荒野を走り出すと、本格的に振動が開始!それに合わせるように吹いてくる風!「爽やかだ…」と思う間もなく爆走して追っかけてくるウォーボーイズ!当然揺れまくる椅子!マックスの車がひっくり返るとそれだけグワーーっと動く座席!そこからはもう…ノンストップでしたね(説明放棄)。とにかく楽しかったです!
  • ぶっちゃけ私は映画ファンとしてはわりと保守的であり、4DXみたいないかにも「アトラクション」な要素があんまり一般化しちゃうのはどうなの?とか、映画にとっては一種の堕落なのでは…?とか、めんどくさいことを考えがちなタイプなんですよ。だからまあ、今回も正直そこまで期待はしていなかった(ので都内でやっていた時もスルーした)んですけど…。実際に4DXに「乗って」みると、やはり「すげーなあ」とか「いいものだなあ」と感じるところがたくさんありました。
  • まず、個人的にすごく良かったと感じたのは、「風」の演出ですね。とりわけ4DXは「風」にかなり力を入れているようで、個々の座席のファンに加え、劇場全体に風を送る巨大扇風機も天井に設置されていたらしく、もう終始ビュービュー吹きっぱなしでした。でも「うるさい」とか「くどい」とか感じることはなく、それでいて『マッドマックス4』の疾走感を強烈に高めていてくれたと思います。アクセル全開で「Fang it!(ぶっ飛ばせ!)」なシーンで風がゴォーーーーっと吹いてきたら、そりゃ〜アガりますって。「爆音」ならぬ「爆風上映」をやってほしいくらい。
  • 最大の売りである「振動」も、もちろんスゴイ楽しかったです。なんといっても『マッドマックス』ですから、言うまでもなく相性はバッチリ。爆走してるシーンで座席がドドドドドドと揺れるのも、車がひっくり返るシーンでゴワーーーッと揺れるのも、アトラクション感5割増しって感じで、没入感マックスでした。
  • 「水」の演出も悪くなかったです。なんか「水がブシャーー!」みたいな広告や口コミがされているので、「えっ、それは困るかな…」って足が遠のいてる人も意外と少なくない気もするんですが、そんな「びしょ濡れになる」って程では全くないです。「水鉄砲」という感じでもなく、せいぜい「やや強めの霧吹き」という塩梅ですかね。本作では頻度も多くなく、水が出るシーンでは一応出しとくか、くらいの感じ。マックスの逃走シーンと、砦の水供給シーンと、ワイブズの水浴びシーンと、ジョー様が死ぬシーンくらいかな?(最後のはびっくりでしたけどね。まさかの血しぶき表現!そういうのもあるのか…) まあ、いかんせん砂漠が舞台ですから、本作では控えめ(4DXでは「水オン/オフ」のスイッチもあります)。作品によっては不可欠になってくる機能なのでしょう。
  • 一方で「別になくてもよくね?」と感じたのは、スモークでしょうか。たとえば冒頭のマックスが車を走らせるシーンで、砂埃が舞うのを表現するためか、スクリーン両脇から「プシャアーーー」という感じで白い煙が吹き出るんですが、量も大したことなくて、やや中途半端でしたね…。その後も空中にそのままモヤ〜ッと残ってるので、微妙に気が散るし。これはちょっと、どういう映画のどういう場面で有効に活かせるのかよくわかんない…。『ミスト』とか…?(そのまんま)
  • 他に細かい効果だと、通称「マッサージ椅子」とかありましたね。おもに「肉体への衝撃」を表すためなのか、こう、後ろからドンドンドン!って背中を突いてくるのです。これはまあ…普通に「マッサージ椅子みたいだな」って感じでしたね…。演出とうまく噛み合っていたとは言い難いかな。有効に使うにはタイミングが相当難しいし、劇場側もこの機能は少し持て余しているのかも。主人公がマッサージ椅子に座る場面とかで使えそう(そのまんま)。
  • 耳の後ろから「プシュッ」と鋭い風が送られる効果は、なかなか上手く使われていました。『マッドマックス』だと、フュリオサがマックスに銃弾を3発、頭の周りに撃ち込まれる場面とかで用いられてて、臨場感を高めていました。けっこうびっくりするので、ホラーにも生かせそうだし、応用が効きそうですね。
  • 「フラッシュ」という機能があったとネットに書いてあったんだけど、気づかなかったな…。どこで光っていたんだろう。竜巻のところは元から光っていたしな…。ただ、これもけっこう有効活用は難しそうですね。ていうか「光らせたい」と思ったら、普通に映画を作る人たちが光らせるんじゃないかな…。そこはあちらさんの領域だろ、的な。実際どんな使い方するんだろう。4DXだと大人しめだったのかも。
  • なんだかんだで4DX自体は大変楽しめたんですが、いっそのこと3Dじゃなかったら…と感じたのは事実ですね。普通にメガネなしで見たかったかな〜。一番最初に「IMAX」でみて以来、3Dで見たのは初めてでしたが(ちなみに今回はXpanD)、やっぱり色合いの暗さはいかんともしがたい…。劇場のせいでは全くないけど。
  • 後半は微妙に文句になっちゃったけど、全体的には実に楽しかったですし、一度は味わって損はないと思いますよ、4DX。後で知ったのですが「平和島」、なにやら「エクストリーム上映」とかいうのもやってたそうですね。4DXの機能のリミッターを解除して、揺れまくって吹きまくって飛び散りまくるフルスロットルな上映回。なにそれ気になる…。通常の4DXはまだ少しやっているそうなので(もうすぐブルーレイ出ちゃいますが…)行ける方はぜひ「ご乗車」されてみては。ではまた。ウィッネス平和島!ウィッネーーース!!