沼の見える街

ぬまがさのブログです。おもに映画の感想やイラストを描いたりしています。

『SHERLOCK 忌まわしき花嫁』感想

  • 『SHERLOCK 忌まわしき花嫁』を観たので適当に感想を書いとこうと思います。といっても観たのが10日くらい前なのでけっこう内容を忘れちゃっているのですけどね…。『同級生』と同じ日に観たのですが、そっちがあまりに良すぎたこともあって、若干かすんでいる感が…。でも忘れないうちに何か書いとこう。
  • シャーロック・ホームズとワトソンの冒険を現代版として再構築した大人気ドラマシリーズ『SHERLOCK』の、まさかの劇場版ですね。…といっても本国では今まで通りテレビ番組の特別編として作られたので、わざわざ劇場公開しているのは日本だけっぽいのですが…。でも時間が90分くらいなので映画館で観るのにけっこうちょうどいいし、しっかり劇場に観に来そうな女性ファンも多い作品だし、良い戦略なんじゃないでしょうか。
  • そして今回の特別編のコンセプトは一風変わっていまして…。「現代版ホームズ」である『SHERLOCK』を、キャストもスタッフもそのままで、オリジナルの「ヴィクトリア朝時代(1895年)に戻そう!というものです。なんかもうやりたい放題というか、「ファンムービー感」が凄いというか…。
  • 『SHERLOCK』はドラマの作り手も「シャーロック・ホームズ」のガチオタばかりなので、「一度はこういうのやってみたかったんだよね〜〜!」という彼らのキラキラした笑顔を感じ取ることができて、それだけで微笑ましい気持ちになります。
  • そして劇場でけっこう面食らったんですが、本作、いきなりメイキング的なドキュメンタリーから始まるんですよね。初めて見るおじさん(監督)がキャッキャしながら、実に嬉しそうにホームズの家のセットを私たち観客に見せてくれるのですが、なかなかシュールでした…。椅子やらナイフやら絵やら、一見さんにはわからない色々な由来があるそうなのです。ほ〜〜…という感じでした。
  • 目のキラキラしたおじさんのホームズ豆知識コーナーが終わると、やっと本編が始まります。「さっさと始めろよ!」と思うかもしれませんが、ガルパン上映前の3分間あらすじみたいなもんだと考えれば…(あっちほど一見さんの役には立たないのですが…)。
  • そんで本編なんですが、基本的にはなかなか楽しく見られました。徹底的に作り込まれたヴィクトリア朝時代のロンドンの風景とか見ているだけでワクワクしますし、ホームズとワトソンの気の利いた掛け合いも、たとえ時代は遡ってもやっぱり楽しいです。激太りしてるマイクロフトなど、「ええっ!?」ていう改変も多くて退屈しません。
  • ただまぁ、お話的にはTVシリーズに比べると若干物足りなかったかな〜という感じ。ちょっとネタバレ注意ですが、本作はいわゆる「フェミニズム的」なメッセージがとても強い作品なんですね。でもやはり『マッドマックスFR』に比べるとどうしても「とってつけた」ように見えちゃってな…。
  • 『SHERLOCK』は確かに女性を意図的に「排除」しているきらいのあるホモソーシャルな作品ですが、それはどちらかというと女性客に対するサービスであり、目配せな気がするんですよね。ベネディクト・カンバーバッチのホームズとマーティン・フリーマンのワトソンという、素晴らしい黄金のカップリングを、(おもに女性客が)なるべく邪魔の入らない状態で楽しめるような作りになっている。
  • もちろんワトソンの妻とか、ホームズのライバル的存在であるセクシーな女泥棒とか、色々女性キャラも活躍するんですが、あくまでメインは「ホームズ×ワトソン」の関係性であって、そこが霞んじゃわないように丁寧な「配慮」がなされているんですね。ベーカー街の下宿のハドソン夫人なんてまさに「腐女子」的な視点と欲望を体現したかのような存在ですし。
  • そういう女性視聴者にとってのある種の「ユートピア」を作り上げようとしてる本シリーズで、今回の「忌まわしき花嫁」のようなフェミニズムっぽい(自己)批判が果たして有効かというと、ちょっと疑わしいんじゃないかな〜…という気はします。見てない人は何のこっちゃですね…。でもけっこうクライマックスでは「え〜〜」ってなる人は多いと思います。「SHERLOCKでそんな風にフェミニズムを打ち出されてもな〜」と感じちゃうというか…。ジョージ・ミラーの凄まじさを改めて認識させられる結果となりましたね…。
  • とはいえ、終盤の非常にトリッキーな展開など、本シリーズらしい驚きを十二分に味わえる箇所もありましたし、SHERLOCKファンには一見の価値がある作品なのは間違いないと思います。本編が終わった後にもメイキング的な映像があるので興味ある人は見るといいんじゃないでしょうか。あんまり語れませんでしたが、この辺で。