沼の見える街

ぬまがさワタリのブログです。すてきな生きもの&映画とかカルチャー。

『ワルプルギスの夜の夢』感想

  • 昨夜上演された、まどマギ交響楽団ワルプルギスの夜」の主宰するオーケストラコンサート『ワルプルギスの夜の夢』《第3回公演・再臨篇》に行ってまいりました。私はオーケストラの音楽にはあんまり詳しくないですが、本当に熱気があって素敵なコンサートでした。心から「まどマギが好きで良かったなぁ」と思えましたし、全身で音を浴びるように楽しめました。無料であることがちょっと信じがたかったですね…。せめてものお礼(?)として、ど素人なりに感想をつらつらと書いていこうと思います。
  • 第1部の冒頭、「Magia」とメインテーマ「Sis puella magica!」で、一気にまどマギ世界に引きずり込まれました。その直前に見た映画『ちはやふる』とかこれまた素晴らしい出来だったので、うまくまどマギに脳を戻せるだろうか…とか心配していましたが完全に杞憂でしたね。Magiaも最高にカッコよかったですが、梶浦由記さんによるメインテーマが超豪華なオーケストラで演奏されるのを聴いて、改めて美しい曲だよな…と感じました。当時ファンの間では「営業のテーマ」とか言われてたそうですが(身も蓋もねえ)、やはりこの曲なしにまどマギまどマギたり得ないですし、超一級の主題曲ですね。
  • そして前奏に続く一発目が「ルミナス」だったのはわりと意表を突かれました(あんまりプログラムをちゃんと読んでいなかったので…)。今回は劇場版の前後編をモチーフにした編曲になっているので、OP曲は「ルミナス」になるわけですね。私はTV版と叛逆は何回も繰り返し見ていますが、前後編は2回くらいしか見ていないので、「ルミナス」にはそんなに馴染みがなかったんですが、今回で「すげーいい曲だ…っていうかカッコイイ…」と実感しました。「呼んだ希望辿って 止めた世界を超えた 諦めない想い いつしか心つなげた」っていうフレーズを金管楽器で(特定できないあたりがド素人)力強く吹くとあんなにカッコよく、勇ましくなるんですな…。まどほむがほっぺをスリスリするだけの歌じゃないんだ!(そりゃな。)しびれました。
  • そこから「日常」を表すパートに移行するんですが、私がまどマギサントラの中でもトップクラスに好きな曲「Desiderium」が流れたのは感無量でした。好きとか言っといて最近まで気づかなかったんですが、これメインテーマ「Sis puella magica!」のメジャー変奏なんですよね。ピアノバージョンともうひとつ何か別のバージョンが演奏されたんですが(曖昧)、どちらも凄く良かった…!
  • 続いて「巴マミ」→「佐倉杏子」→「美樹さやか」と、それぞれの魔法少女を象徴するテーマ曲が連なります。この流れもゴージャスで良かったですね…。魔女との戦いのBGMも挟まれたんですが、オケで聴くと「うおお!」という感じでテンションが上がり、(司会の方の前口上通り)まるで会場が魔女結界になったかのような気分でした。さやかのテーマ曲もコンサートホールで聴くとなんともいえない哀愁が漂って素晴らしい。
  • 第2部はおもに劇場版「後編」に対応する内容で、まさに『ワルプルギスの夜の夢』というイベント名にふさわしい、不気味でど迫力の曲を軸にして展開されます。熱い!! 曲の編成もとてもうまくて、まるで一本の映画を見ているような気分になれましたし、最強の魔女・ワルプルギスの夜の圧倒的な強さと絶望感が蘇ってきました。そこから終盤の「ひかりふる(Sagitta luminis)」につながっていくクライマックスの流れも荘厳としか言いようがなく、圧倒的な満足感を味わえましたね…。恭介のバイオリンソロまで再現されていて、客席にさやかちゃんとまどかが座っているのではないか…と感じて涙した方も多かったことでしょう。
  • そしてこのクライマックスがあまりにフィナーレとして盛り上がったので、てっきり今日はここで終わりなんだと思っていました。第2部の終盤ですでに2時間半くらいたってましたし、勝手に脳内で「今日は叛逆の曲はやらないのか…。まぁ時間的にも演奏者の体力的にも厳しいもんな。新編予告の"for the next episode"も流れたし、続きは次回ってことなんだろうな。次も絶対聴きに来よう!予約いつ始まるんだろ、忘れないようにしないと…!」とか考えてました。…そしたら第2部終了の後「15分間の休憩の後、第3部です」ってアナウンスされたもんだから、驚いたと同時にすごいテンション上がりましたね。そうこなくっちゃ!!(現金)…いやマジで演奏者の皆さんの愛とバイタリティには驚かされるばかりです。はんぱない。
  • そしてついに第3部では、私の大大大好きな『叛逆の物語』の音楽がメドレー形式で演奏されましたよ。ヤッター!! 叛逆のメインテーマ「まだダメよ」が静かに始まった瞬間、否応なくググッと引き込まれました。この一気に引きずり込まれる感覚、つくづく叛逆っぽいな…と。『叛逆の物語』にどハマりして映画館に何度も足を運んでいた時のことを思い出しました。
  • 続いて名曲「カラフル」! 大大大好きな曲ですが、こちらも最高でした。ドラムを強めに響かせることで、「カラフル」特有のゴージャスかつ華やかな雰囲気がよく出ていたなと思います。
  • 5人組の変身シーンで流れる曲「Holly Quintet」も素敵でした。マミさんの軽やかで美しいメロディーからの、杏子のリズム感あふれるパワフルな曲へ、という流れとか、ギャップがすごくて最高でしたね。
  • 「face the truth」〜「another episode」も叛逆らしい不気味さとカッコよさをたたえていて良かったですし、「flame of despaie~this is me despair」のほむらが真実に気付く絶望感もたまらないものがありましたが、なんといっても一番テンションがクライマックスになったのは、「we're here for you」から「misterioso」にいたる怒涛の流れですね! 映画のエモーショナルな盛り上がり方とも完璧に一致した、見事な曲の展開だったと思います。
  • そしてほむらも救われてめでたしめでたし、と思いきや…「やっと…つかまえた」のシーンの衝撃! 大ボリュームで「悪魔パワー全開!」という感じで演奏されていて、叛逆を見た時の最大のショックが蘇りました。ソウルジェムが呪いよりもおぞましい色になりそうでした…。
  • そこから一転して「I think this world is precious」の悲しくも穏やかな調べに入るっていう流れがもう、たまらなく美しかったです。この曲、叛逆のハッピーエンド感とバッドエンド感を同時に表しているようで、ほんとに大好きなんですよね…。何度聞いても泣けてしまいますし、オーケストラで聴けて本当に良かったです。
  • そして皮肉な調子にも聞こえる「happy ending」に流れ込み、最後に「君の銀の庭」のワルツが始まるっていうこの…。もはやどう言葉で表現していいかわからないほど綺麗で、うっとりと聴き惚れていました。ただただ美しい。言葉はいらぬ…。『叛逆の物語』、やっぱり最高だなと思いました。は〜〜…好き……。
  • エピローグの「まだダメよ」のリフレインが終わると、劇場は割れんばかりの大喝采に包まれました。アンコールは「Magia」と「コネクト」。会場のみんなが手拍手でリズムをとりながら、ものすごい熱気の中で元祖EDとOPの演奏が行われ、万雷の拍手の中で上演は終わりました。
  • 長いのでそろそろ終わりますが、最高な5月1日の夜の夢でしたし、「ありがとうございました」以外の言葉はないです…(3000字も書いておいてなんですが)。「まどマギ(の音楽)は素晴らしいな」と改めて思わせてくれただけでもファンイベントとして100点満点ですが、それ以上に、「何かを好きであることは素晴らしい」という普遍的な感慨まで与えてくれる、愛と熱気にあふれた素晴らしい催しでした。
  • なのでお金を払えなかったのはけっこう心苦しいですね、マジで…。ほんとにタダでいいの、これ? てっきりロビーに「募金箱」的な感じで何か設置してあるのかなとも思ったんですが、なかったしな。色々権利の問題とかで難しいのかもしれないですが、ダウンロードでの音源販売とかあれば必ず買います。今後もワル響の動向を追いかけていきたいです。
  • 昨夜の熱気を忘れないうちに色々ごちゃごちゃ書いてみましたが、まぁ言葉ではほとんど伝わらない気もしますので、気になってる方はぜひ次回公演に行ってみることをオススメいたします。それまではとりあえずお手元のサントラを聴き返してみたりしてくださいませ…!まどマギ最高! ではまた。