沼の見える街

ぬまがさワタリのブログです。すてきな生きもの&映画とかカルチャー。

『響け!ユーフォニアム』最終話みた!

  • 突然ですがTwitterを始めてみました(ぬまがさ (@numagasa) | Twitter)。性格的にあんまり向いてないツールな気もしますが、ちょっとやってみたかったので、ものは試しです。タダだしな…。気が向いたら覗いてみてね。
  • さて『響け!ユーフォニアム』最終話(13話)を観ました。ああ…また一つ楽しみなアニメが終わってしまった…。でも最後まで素晴らしかったです。それこそ昨日ベスト5にあげた映画と並べても全く遜色ないでしょう。どこに出しても恥ずかしくない、傑作だったと思います。
  • 正直、京アニのことを誤解していたな〜と反省してますよ。いや、もちろん「ハルヒ」は面白かったんですけど、「どハマりする」みたいなことにはならず、しばらく京アニ作品は見てなくて。でも『けいおん!』とか凄いアニメをいっぱい作ってるとは聞いてて、じゃあ今やってるのでも見てみるか、と見始めたのが……『境界の彼方』だったんですよね…。
  • いや、『境界の彼方』が悪いわけではないし、途中で見るのやめちゃったから何とも言えないんですけど、正直「こんなもんか…」と思っちゃったのは確かです。「クオリティは高いけど……面白くは…ないかな…」っていう。「さぞ凄いんだろうけど、私はいいや」ってなっちゃったんですよね。それでまたしばらく京アニ作品からは遠ざかっていました。(「京アニ」でひとくくりにするのがそもそも大間違いなのでしょうが。)
  • しかし最近、意外な場所で京アニとの再会を果たしました。映画館で。そう、『たまこラブストーリー』ですね。これが実に素晴らしい出来栄えで感動して、次に京アニが何かやるときは是非チェックしよう、と思ったわけです。そして『響け!ユーフォニアム』に至るというわけなんですね。(…なんかこのくだり丸々いらなかった気がする。)
  • いい加減、13話本編の話に移ります。合奏シーン、ほんと最高でしたね…。これまでの12話分のていねいな積み重ねがあったからこそ、ひとりひとりにカメラがまわるたび、熱いものがこみ上げてきました。
  • 特に香織先輩が、麗奈のソロパートの音色に耳を傾けながら、深く何かに「納得」したような表情を浮かべるシーンは13話の白眉でしょう。麗奈vs香織先輩のソロ対決が盛り上がったのは、やはり本作のテーマを最も鮮烈に体現しているお話だったからだと思うんですよね。「特別でありたい」という願いと、「納得したい」という想いのぶつかり合い。「強さ」と「正しさ」のせめぎ合い。そして香織先輩の戦いは、結果的には「敗北」で幕を閉じたけれど、「戦ったからこそ得られた、より深い納得」で締めくくられた。……いや、言葉にすればスゴイ平凡だし、実際王道の展開なんだろうけど、やはり感動的としか言いようがないですよ。泣くでしょここは、誰しも…。
  • そして大事なことですが、その「納得」は、「強く」も「正しく」もない優子がもたらしてくれたものでもあるんですよね。そこもまた本作のすごく好きなところです。作中における「弱い」人たちの扱いが、すごく素敵。
  • …その「弱さ」を体現しているのが、本作では優子と夏紀先輩だったと思うのですが…やはり大好きです、この子たち。いわゆるカップリング的、関係性萌え的な側面から見てもこの二人は抜群においしいと思いますが(なつゆう?)、普通に個別のキャラクターとしても大好きです。優子は精神的な面で、夏紀先輩は技術的な面で、それぞれ違う意味で「弱さ」を抱えているわけですよね。でもその「弱さ」が結果的に誰かを救ったり、後押ししたりすることもあるという、この構造にすごく優しい視点を感じます。それも単なるおとぎ話じゃなくて、現実でもそういうことってたくさんあるんだと思う。リアリズムの追求の結果でしょう。
  • あ、そうそう、あの高坂さんがふと「中川先輩、いいよね」と言ってくれたのがスゲー嬉しかったです。めったにこういうこと言わなそうじゃないですか、この子。「強さ」や「特別」に向かってガムシャラに突っ走る高坂さんだからこそ、自分の「弱さ」や「特別じゃなさ」をしっかり受け入れている夏紀先輩が、輝いて見えたんだと思います。うん、めっちゃいいよね夏紀先輩! 黄前さんの100倍くらい性格いいと思うな。付き合っちゃいなよ!(やめなさい)
  • 妄言はともかく、やはりこの『響け!ユーフォニアム』、なんといっても主人公・黄前さんのキャラ造形が素晴らしかった。もうね…黄前久美子ですよ…(何だよ)。このキャラを生み出した時点で、「勝ち」でしょう。前にも長々と語りましたが、いっけん地味&平凡なようでいて、めちゃくちゃ斬新かつ攻めまくった人物造形だと思いますね。しびれますわ。
  • 今後『ユーフォ』を題材に優れた二次創作などもたくさん生まれるでしょうし、私だってぜひチャレンジしてみたいですけど、黄前ちゃんのキャラを再現するのは本当に至難の技だと思います。本作、「記号的」な人物造形を極力避けようとする作り手の高い志をひしひしと感じますが、黄前さんの「記号的じゃなさ」はちょっと別格だと思いますね。とくに高坂さんが指摘した「性格の悪さ」…。言語化されているということはもちろん作り手も意識的にやっているんでしょうが、それにしたって奇跡的だと思う。
  • 単なる「嫌な奴」ではなく、かといって「いい子」では絶対にない、絶妙なバランスの「性格の悪さ」。重要なのは、物語を経て「冷めた子」から「熱い子」に変貌した後でも、黄前の「性格の悪さ」は変わらないだろう、ということですね。とにかく底の知れない、面白いキャラクターです。二次創作…したいけど、果たしてこの子が私の手におえるかどうか…。今後も研究を重ねたいです。
  • ああ、もう時間切れなのでこのへんで…。また時間があるときにゆっくり語りたいです。ほんと、素晴らしいアニメでした…っていうか、続編作れるでしょこれ。てか作る気満々でしょ。それこそ映画化してくださいよ〜。タイトルは…「くみこラブストーリー」で(絶対もう百人くらいが言ってるであろうネタ)。ではまた。ユーフォ、フォーエバー。