沼の見える街

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ワートリすげー!ジャンプ感想(37号)

  • ツイッターでもちょっと言ったけど、今週は何を差し置いても『ワールドトリガー』が凄かったので、順番とか無視してワートリから書こうと思います。

ーーーー以下『ワールドトリガー』ネタバレ注意ーーーー

  • そんなわけで、まさか、まさかの修死亡…!いや死んでないけど退場…!四つ巴バトル開始、わずか2週目にして主人公をバッサリ切るとは。この展開はさすがに予想しておらず、度肝を抜かれました。これは凄い。
  • だってあれだけバトル前に、少年漫画の「お約束」的な修行シーンをやったんだから、勝てるかはともかく、今回は修がどのように成長を遂げるのかを描くのかな、とか思いますよね普通…!そう思った結果がこれだよ。サツバツ!慈悲はない!!…漫画のみならず映画とかでも「主人公の甘やかし」が蔓延している中で、どんだけ主人公を「甘やかさない」作品なんだよって感じ。硬派だ…。
  • 今回無情にも修をブチ抜いた東さん、「実力者≒人格者」という葦原作品イズムを体現するようなキャラだったわけですが、ここにきてその恐るべき強さをこれ以上ないほど印象づけました。主人公を遠距離から一撃粉砕だもんな…そりゃ印象的だよ…。主人公が完膚なきまでのかませ要因って斬新っすね…。
  • とはいえ今回、単にビックリ展開だから凄いっていうんじゃなくて、一見お約束を破っているようで、実は作中の「強さ」のルールに忠実に従っているだけというのが凄いんですよね。にもかかわらず話運びの巧妙さによって予想外の衝撃を読者に与え、さらに「実力者の強さ」をきっちり示すことで作品世界の奥行きをグッと深めることに成功してる。素晴らしい作劇。葦原先生が丁寧かつ堅実に積み上げてきたものが、今回見事に花開いたということでしょう。めちゃくちゃ面白かったです。でも続きどうすんだコレ…。今週は合併号の上に次回休載ということで、だいぶ待たされるな〜。まあ無理されるよりは全然いいですね。
  • 『ワンピース』。内容は戦後処理って感じで全く興味がわかないんですが、やっぱり表紙の絵はすごくいいな〜。多人数の詰め込みでもごちゃごちゃしすぎずダイナミックにまとめ、色使いもとても綺麗。こりゃ画集も出るわ。先週のカイドウ登場が超面白かったので、ルフィとかレベッカとかどうでもいいのでそっちの動向が早く知りたいです。
  • 暗殺教室』。E組生徒の不気味な動きの演出とか、ハッタリ効いてるよなあ。ラストも(文字通り)ぶっ飛んでてさすが。無理やりイイ話にしましたみたいな『暗殺』にありがちなムードも、今回はバカっぽい爽やかさとして有効に機能。でも殺せんせー抜きでどうすんだろ、宇宙で…。
  • 『背筋をピン!と』。こいつは嫌な奴にちがいない!という立場のキャラがことごとくイイ奴なのが新鮮。無理にクズを出さなくてもちゃんと面白いし。「ムリしてコメントしなくていいわよ」とかスゴイ笑った。いいコマだ。
  • 『僕のヒーローアカデミア』。「個性(能力)自体は大したことないけど体術と執念がスゴくて恐い敵」とか、やっぱ渋いな〜ステインさん。主人公みたいだ…。(スタンド使いで例えようとしたけどちょっと思いつかなかった。リンゴォとか…?違うか。)どんなに優秀だろうが高校生3人ごときにそう後れは取らない、でもスゴイ頑張って運良くコンボが決まれば何とか倒せる…かも!?くらいのこのパワーバランス、素敵ですなあ。
  • 読み切り『クラマの閃』。う、う〜ん…面白くは…ない…。剣道という主題の地味さを補う工夫がほぼゼロだし、天狗うんぬんのハッタリもいまいち効いてないし、倒す敵が嫌な奴って程でもない(別に良い奴でもない)ためカタルシスも特にないし、何を面白がればいいのかよくわかんない…。ていうかやっぱり剣道はもう、ジャンプではやめたほうがいいんじゃないかな…。それこそ川田先生級の中央突破の技術をもった人なら何とかなるのかもしれんけど。あ、でも主人公のデザインは少年漫画離れしてて面白いです。七三か〜。
  • ニセコイ』。よく知らないけどなんかまとめに入ってるんでしょうか。告白シーンには「はいはい」って感想しか抱けませんが、このマリーという子はよく知らないなりにけっこう好きです。かわいくない時の方がかわいい(今回で言うと「ふざけんとってよ…」のとことか)。でも何やら死にそうですね。人が死ぬラブコメには好感が持てるので、がんばってほしい(?)。
  • 『火ノ丸相撲』。スリリングで熱くて超面白い。小関の尻餅、心臓に悪いな…。全盛期の『アイシールド21』を彷彿とさせる緊張感。反則スレスレの手を使わせておきながら、金盛部長のモノローグのおかげで真田さんの格が落ちていないのも見事。それによって小関が(怒りに燃えるとかではなく)逆に自信を増すという流れも上手い。けっこうな実力差があったはずなのに、すでに小関が勝ってもおかしくないムードが生まれている。というか、ほんと、勝ってほしい。読んでて素直にこう思えることが凄いですよ。
  • 『ブラッククローバー』。うん…。テンポがよすぎて逆に間が悪いというか、相当おかしなことになってる漫画だと思います…。主人公を活躍させたいのと、展開を早めたいのはわかるけど、単独行動で飛び出したアスタが勘と勢いだけで即座に敵ボスと遭遇ってさあ…。ラストはもう笑うしかない感じ。「あ、今週中に会えちゃうんだ…!?さすがっすね…」っていう。主人公っていうのはすごいんだなあ(棒読み)。ちょっとでいいからワートリの修くんに分けてあげなよ、きみの主人公パワーを…。
  • 『レディ・ジャスティス』。そろそろ打ち切りなのかもしれないけど、えろい目に遭っている時のヒロインの言葉遣いが妙に硬いのが好きです。今回で言うと「このまま裸で行けとでも…?」とか。ちょっとぎこちない台詞回しが真面目な感じを生んでいて、不思議なえろさを醸し出していると思う。あんまり狙ってない感じが良い。今回みたいなノリで最初からずっといってれば、あるいは…。まだ挽回のチャンスもあるのかしら。
  • 今週はこの辺で。ワートリに全部持っていかれたとはいえ、全体的に今週は面白かった気がします。合併号は気合が違うのかな。ではまた。