沼の見える街

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『同居人の美少女がレズビアンだった件。』感想

  • 『同居人の美少女がレズビアンだった件。』(小池みき著/牧村朝子監修)という漫画をTwitterでオススメされたのでkindleで買って読んだのですが、とても良かったです。けっこう泣いてしまうところもありました。
  • 同性愛者であることを公言して「レズビアン・アイドル」として活動している牧村朝子さんという方がいるのですが、本作は彼女を主役(?)にした一種の実録マンガですね。作者の小池みきさんが日常系の可愛らしい絵柄で、牧村さん(通称まきむぅ)と出会ってからのアレコレを綴っていきます。
  • あ、私も読む前は誤解していたのですが、別に小池さんと牧村さんが付き合っているわけではないです…。牧村さんには通称「森ガール」というフランス美女の恋人がいまして、彼女たちがイチャイチャしたり困難に立ち向かったりする様子を、友人の小池さんが漫画にしていく…という構成になってます。
  • とはいえ堅苦しい作品ではもちろんなくて、まず、まきむぅが非常に可愛いんですよね。元気はつらつとしていて、しっかりしていて、百合モノが好きで、とても魅力的な人物として描かれている。
  • そんな彼女もやはり、幼い頃から自分のセクシュアリティに悩む事が多かったようです。「自分はおかしいのではないか」と追い詰められたこともあり、なかなか自分の性質を受け入れることができなかったそうな…。前に付き合っていた男性とは婚約までしたのに、結局のところ「愛することはできない」と諦め、泣く泣く別れてしまったんですね。
  • その牧村さんが、運命の相手である「森ガール」と出会って恋に落ち、身体を重ね、生まれて初めて性愛の喜びを知ることができた。その嬉しさでつい号泣してしまうシーンは、(あっさりした筆致で描かれてはいますが)本当に感動的で、どうしたってもらい泣きしてしまいますね…。
  • そんな感じでかなり重たいテーマも扱っている漫画なのですが、暗い感じになっていないのは、まきむぅこと牧村さんの魅力と、キュートであると同時にクール&ドライな小池さんの語り口が大きいのでしょう。単に百合が好きという方にもホンワカ日常実録系マンガとしてオススメできますし、いわゆる「LGBT」の問題の入り口としても、非常にすぐれた作品なのではないでしょうか。牧村さんによる新書『百合のリアル』もぜひ読んでみたいです。書き足りませんが、今日は眠いのでこの辺で…。