沼の見える街

ぬまがさワタリのブログです。すてきな生きもの&映画とかカルチャー。

2016年前半・映画ベスト10

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  • ちょっと遅れましたが、2016年前半の映画ベスト10です。今回もイラストにしてみましたが、(偶然にも)なかなか良い感じの並びになったのではないでしょうか…。
  • 1位は迷いましたが『貞子vs伽椰子』で。総合的な完成度ではもちろん『ズートピア』に敵うものなし、と思うのですが、こういうホラー映画が劇場で観られたことがとても嬉しかったのと、レポ漫画を描いたらいっぱいリツイートしてもらえて嬉しかったので(浅いな!)、こちらを1位にしました。いやホント、素晴らしいホラーエンタメだと思いますよ。まだまだヒット街道を爆走して欲しいです。
  • リップヴァンウィンクルの花嫁』はある意味ではひどいお話なんですが、観ている間の独特の心地よい浮遊感と、観終わった後に湧いてくる「やっぱり生きるって面白いな…」という幸福な感慨が最高でした。「こういう映画を観たくて映画ファンをやっている」といっても過言ではない、傑作だと思います。
  • 『同級生』も似た種類の爽やかさを与えてくれる映画です。生きていれば後悔することは沢山あるし、挫折も失敗もあるし、進んだ道が正解だったかなんてわからない。だからこそ、その道に進んだおかげで「同級生になれたじゃん」っていう言葉が、とても優しく響くんですよね。BL好きはもちろんですが、私のような門外漢にとっても本当にぐっとくる美しいアニメ映画でした。
  • 『イット・フォローズ』も良いホラーでしたね…。ゆっくりと迫り来る理不尽な怪異、Jホラーっぽい陰湿さもありながら独特のフレッシュさもあって、観ているあいだ幸せで仕方がなかったです。「あんまり怖くないじゃん」みたいな意見もけっこう聞きましたけどね…。ただ「怖さ」がホラーの魅力の全てだとは私は全然思っていません。「怖さ以外」の点がとっても魅力的な映画でした。監督の次回作も楽しみです。
  • ちはやふる』は「上の句」のロジカルで熱いラストバトルの決着、そして「下の句」でクイーンを演じた松岡茉優にそれぞれ1億点を献上したいです。「漫画の実写化」という縛りだけでなく、日本の青春エンタメとしては最高峰に位置する作品として今後しばらくは語り継がれていくことでしょう。これまた続編がすぐにでも見たい気持ち。次はバトルに次ぐバトルがいいな〜。
  • 『神様メール』は結局ちゃんと感想が書けませんでしたが、隅から隅まで皮肉と可愛らしさと優しさに満ちた、本当に素敵な逸品でした。「神」がいるとしたら本当に「善」なのか?という深いテーマにも斬り込んでいて、考察のしがいがあります。こういう映画が月に1本くらい観たい…(無茶かな)。
  • 『マジカル・ガール』は息を呑むような美しさに貫かれた映画でした。これまた本当にひどいというか、実に残酷な話なんですが、魅惑的な緊張感に満ちた一級のノワール・サスペンスなのは間違いありません。まどマギ好きとしても絶対に見逃せない映画でした。
  • 『コップカー』もサスペンス枠ですが、オフビートなノリがたまらなかったですね。上質の短編小説を読んだような味わいで、なんとも幸せな気持ちになります。ジョン・ワッツは次のスパイダーマンを監督するそうですが、こんな見事な佳品を撮れる人なら絶対に外さないことでしょう。そしてケビン・ベーコンはやっぱり最高!
  • 『日本で一番悪い奴ら』。これはまだレビューとか書いてないんですが、とっても面白かったです。監督の前作『凶悪』よりも格段にクオリティが上がっていると感じました。そして綾野剛は今年、本当に当たり年ですね…。もともといい役者さんとは思っていましたが、まさかベスト10に主演級の映画が2本も食い込むほど好きになるとは思っていませんでした。マッチョな思想に取り憑かれて破滅へと突き進んでいく男の悲しさと、それでもラストになぜか残る爽快さ、そして作品が持つ反骨精神…。紛うことなき傑作だと思いますし、いずれレビューか漫画でも描こうかなと画策してます。
  • 今回はとりあえずこんなところで。ベスト10に入れなかったものでも、素晴らしい映画たくさんありましたからね。また思い出したように語っていきたいと思います。後半も良い映画にたくさん出会えるといいな…。ではまた。